テーマ
【話し手】
澤井御南学区連合町内会長「今回の大雨災害の被害状況」
田中大元学区連合町内会長「これからの暮らしに必要なこと」
マット・ビボウ(シティ・リペア/アメリカ)「ポートランドの取組み」
【聞き手】
枝廣淳子(環境ジャーナリスト)
【進行】
青江整一(くらしのたね/ミナモト建築工房代表)
●大元学区は誕生して46年目の若い学区。中国地方の住みたい街ランキング(平成26年)で第2位にランキングされている。
●大元学区の高齢化率は、岡山市で3番目に低い。とはいえ高齢化は進んでいる。一人暮らしの高齢者や生活支援の必要な高齢者が増えている。
●地域の連帯感や共助精神が希薄になってきているのを感じる。近所づきあいが少なくなっており、声掛け等も少なくなっている。
●「おおもと支援隊」の結成、公民館の「大元ワイワイふれあいカフェ」、学区10ヶ所の「高齢者いきいきサロン」など、地域のネットワークを強め、活性化するための様々な取り組みを行っている。
●避難所まで歩いていけない高齢者がたくさんいるので、一般の施設にご協力いただき、「一時避難場所」として3ヶ所と協定を結んでいる。
●今年初めて学区の防災マップをつくった。大元学区は用水が多いので、内水氾濫の際の危険箇所をマッピングした。
●現代都市は、人々が孤立するようなつくられ方をしている。人が分断されている。それは世界中で起きている。
●建築家のマーク・レイクマンたちがポートランドで取り組んだ、「人を繋げる場所づくり」について。
●何かが起きた時に躊躇なく助けを求められる関係、手を差しのべられる関係をつくる。そうすればレジリエントな(回復力のある)地域になる。
●住民たちが交差点の路上に絵を描いた。それは地域に様々な良い変化をもたらした。行政主導ではなく、市民が主体となったまちづくり。
●交差点のまわりにみんなでいろんなものをつくっていった。休憩できるベンチ、24時間お茶が飲めるティースタンド、伝言板、子供が遊べるスペース。
●公共の場とは、みんなの場ということ。行政は公共の場にいろんなルールを定めるが、行政のものというわけではない。それはみんなのもの。みんなが使っていい場所。
●自分で物をつくるスキルを身につけておくと、災害時にとても役に立つ。
●2018年7月豪雨の被害。笹ヶ瀬川右岸地域では、約2700世帯で床上・床下浸水があった。
●御南学区では、長年にわたり災害対策・防災訓練に取り組んできた。内容も年々充実させているが、まだ課題も多い。
●実際に防災への取り組みをしていく中で、足りないものや改善点が見えてくる。それに気づくことが大切。
●各家庭での食糧の備蓄は大切。いざ災害が起こった際に、避難所で貰える食べ物は1日1食分だけ。
●町内会も防災訓練も、お年寄りが中心となって動いている。若い方の参加が少ないのが残念。
●今回のような水害が二度とないとは言えない。今後も災害への備えの意識を持ち続けてほしい。