●福田さん/私は大野学区の連合町内会長をさせてもらっています、福田修と申します。みなさんここにおられる方は御南学区とか、西学区とかで、私は御南中学校の第6回の卒業生です。御南中学校へ在学中は葦の中に平屋の公社ができたばかりで、大野、白石、今村、芳田の4ヶ所を組み合わせた学区でございまして、だからここにおられる方も、なんかお見かけしたような方たちでございます。我が身内のような感じがします。

大野学区はご存知のように岡山駅西部の2キロのところにある学区です。戸数が2700軒ほどでございまして、南には岡山操車場、北は万成山という山を抱えております関係で、非常に発展が遅れてます。40年ほど前に大野、三門土地区画整理によって区画整理がおこなわれました。大安寺東町は40年前には田んぼばかりでございましたが、今は田んぼを見ることができないくらい住宅が密集して、区画整理のお陰で整然ときれいな街づくりがおこなわれております。

それで、大野学区は11町内ある中で、大安寺東町と大安寺南町、大安寺中町、この3つの町内が市街化区域でございまして、大野の小学校を境に西の大安寺西町、野殿、野山、矢坂までが調整区域でございます。だから、大野学区は発展する余地がありません。

先日も「市長と大盛トーク」というのをやるから出てきてくださいということで、参加させていただきました。そうすると、大森市長一人だけメモと鉛筆を持って、書くようなかっこうをしている人が一人しかおりません。それで私も腹が立ったから、「今日帰らー」と言ったら、「そんなこと言わずにおってください」と市長公室の方が言われるので、私も大野でトークショーが開かれるくらいだったら、市長さんとか建設局長さんとか土地整備局長さんとかいろいろ担当者が顔を揃えて対応していただけるものだと思って初めて行きました。すると市長が一人おるだけです。

私も市長にはっきり言いました。「市長が研ぎ澄まされた頭脳を持っているのはよく分かっている、でも明日、寝て起きたら私たちの今夜のトークは飛んでしもうとる。私が市長にせっかくお会いして、こういう機会で要望しても忘れとる。市民をバカにしとる。トークショーに来てくださいと言うくらいだったら、役職を揃えてください」と。

大野学区も大野の小学校から西は調整区域で発展する余地がない。西のバイパスを通り越して笹ヶ瀬川まで一気に市街化にしていただきたいと。笹ヶ瀬川を越えた西側の花尻ききょう町、花尻あかね町のほうが発展しております。大野学区は小学校から西は調整区域でございますので発展する余地がない。これを市街化区域にしていただきたい。

市街化区域にするのに、土地の人がもろてを挙げて賛成するということはまずないです。やっぱり固定資産税が上がる、相続税が上がる。市街化というものに難色をしめされる農家の方が多いと思うけど、こういうことに耳を傾けていつまで経っても市街化区域にしていただけないということは、大野学区の発展を阻害しとるということをやかましく言ってます。

「市長さん、今日帰られたら、市役所へしょっちゅう顔をのぞかせに行きます。都市整備局長さん建設局長さんに、大森市長からなんか話を聞いとんかと、この前、大盛トークでこういうふうにお願いして帰っとんじゃけど、市長からそういった話があったかなと言ってお尋ねするぞ」と市長にやかましく言ったら、市長はにこにこ笑って「わかりました。わかりました。」と言ってその場逃れのような返事で終わりましたけど。

市街化区域の小学校から東は家が建っておりますので、発展はないわけで、私たちも危惧しとるわけです。笹ヶ瀬川の土手まで市街化していただくのが困難であれば、その中間に西バイパスという道ができていますが、そこまでくらいを市街化していただいて、それから第二次に笹ヶ瀬川までというように、市街化にしていただかないことには、大野学区の発展はないということをやかましく市長に申し上げた。

「市長は行政の長として知っておられると思う。市街化にするのは、初めは県の権限で、今は市の権限まで下りてきてきとる。それを市長の権限で調整区域を市街化区域にすることはできる。あんたもそれをご存知じゃろ」というようなことを申し上げたら、その点については黙っとられました。

こういうふうに、岡山市街地のたった2キロくらいしかないところが、もう空洞化して笹ヶ瀬川を越えた吉備学区、綾南学区のほうが発展しとるということが、歯がゆくて歯がゆくて仕方がないんですけど、行政がそのように対応していただかないと、どうすることもできません。

●青江/福田会長のところも農家です。市街化を希望されていますけど、家の前にはきれいな畑があって、自分で野菜を育てています。そんな福田さんでした。

●田中さん(大元連合町内会長)/大元学区の田中と申します。私は第1回で、地域を考えるということでお話をさせていただきました。平成26年に「住みたい街ランキング」というので、第1位が広島の横川、第2位が岡山の大元ということになっていました。

我々も「えー、なんで?」と、思い当たることもあんまりなかったんですけど、やはり都市部から離れ、区画もきっちりした地域で、中央に小学校・幼稚園、それから大きな中央公園、公民館があるわけです。それから、人の繋がりがあってうまいこと交流もできておったのかなと。地域のいろんな行事も頑張っておったと。まあそういったことからかなという感じがしました。

前回お話しさせていただきました、地域を考えるということで、なんでそのような話になったかと言いますと、現在高齢化が進んでおりまして、実際はやはり、繋がりが本当に少なくなってきています。

今まで一生懸命、地域のために活動していただいた顔が、だんだん見えなくなっている。各町内会でもそうですし、団体でもそう。その一方でマンションもいっぱいあるんですが、若い人も地域の中に入っていろんな活動をする人が少ない。そういうことでこれからどうすればいいのかなと、次世代へどう繋いでいくかというのが一番大事だなということを思っております。

その中で今、大元でやっておりますのが、繋がりを作るための場づくりを公民館では毎月第2・第3土曜の「大元ワイワイふれあいカフェ」、これは無料です。そういうことで繋がりを作りながら少しでも協力してれる方を増やしていこうと。

もう一つは、やはりこれからは次世代をどうしていくかが大きな問題で、我々もちょっと仲間の切り替えもいるんですが、三世代交流、これを増やしていこうじゃないかということで、取り組んでいきたいなと。

三世代交流がなぜいいかと言いますと、子供が出てくると必ず保護者が付いてくるんです。そういう中で交流をしながら、これから地域のこともお願いするというふうに、まあ一気にはいきません。徐々にこういうことをやっていって。

成功しておるのが桑田学校区の「桑田もっともっと会」というもの。これはもっと仲良くなってもっと地域を良くしようという会で、最初は大元学区が数名で公民館で立ち上げてやっとったんですが、なかなか難しいなということで場所を変えて、今度は鹿田小学校でそんな会を立ち上げた。

これは何をやったかといいますと、自己紹介大会。それぞれ初めての人が多いので自己紹介をやって、それで最後はそれぞれの小学校の校歌を歌ったり、それで繋がりを作って、今は若い人に10数名入っていただいて見違えました。

やっぱりそうして活動していくことが理解されて繋がっていくのかなということで、これからもそういうものを一生懸命やっていきたいなと考えております。みなさんもご承知だとは思うんですけど、昔はこのまわりもは田んぼばっかりで、地縁で繋がっておりました。

地縁というのは講組とか農協とか、あるいはお寺・神社、そういうところできっちり繋がっておったんですが、最近はそういうものも少なくなってきているということで、これからは新たな繋がりを作っていくことが大事じゃないかと思います。ちょっと長くなりましたが変わります。

●澤井さん(御南連合町内会長)/澤井と申します。第1回の地域防災のときに御南学区で取り組んでいる防災活動について報告させていただきました。昨年7月の水害のときに御南学区の西側は相当大きい浸水被害を受けたわけですけれども、現在、岡山市の方で排水対策でポンプ場の設置をしてくださるということで進んでいますので、ハード面での安全性は増していくだろうなと思っております。

今回の水害を通して地域防災、防犯も含め、里まち暮らしという点で、今ありました大元から西、御南、もともとはここも里まちだったんです。今は市街地化してますけれども、昔は一面が田んぼで里まちであったと。

当然、その頃の風習とかいろんなものが残っています。お寺さん然り、神社のお祭り然り、一番大きな名残というのが用水路と思っています。この用水が大雨の時には非常に貯水能力があって、災害という面で見ると増水を緩和してくれている面があります。あと昔は田んぼだったんで、少々の雨が降っても保水能力があったということがありました。

御南学区は笹ヶ瀬川が流れています。この川というのがみなさんご存知のように、県が管理してますので河川敷が樹木が生い茂って非常にきれいな川になっております。

そういった里まちということと、今度の西部総合公園ということを意識した場合に、北長瀬駅の周辺だけでなく、笹ヶ瀬川とこのへんの用水までを含めた、何か新しいものの見直しができればいいなと思っております。

あとは一番最初に大元の田中会長もおっしゃったように、後継者や担い手という問題もあるんですけど、もうそれは私は気にしないことにしました。それを気にしてたら何もできないので、とにかく今、自分たちができることを、地域防災のときにも書いてあるように、自分たちで物を作る力を。

自分たちで情報発信をしていけば、必ず理解していただける方も増えていくんだろうと。この会で若い方とお話しできる機会がありました。その方たちは問題意識を持たれているんですけれども、なぜか町内会のほうにはあんまり参加したことがないということをおっしゃってましたんで、地域でもいろんな情報発信をして、地域の方の理解を得ることをやっていきたいなと思っています。どうもありがとうございました。

●近藤さん(自然食コタン)/自然食コタンとういオーガニックの食材店をやってます、近藤と申します。2回目の時に「小商い」というタイトルで三宅商店の三宅洋平くんとお話しさせていただいたんですけど、小商いってどういうことなのかな、ということでみんなで話しました。

辞書で調べると、わずかな資金でやる商売とか、小規模な商売、取引額の小さい商売とかって書いてるんですけど、それだけで小商いっていうんじゃないよねという話を前回しました。

遠くで作ったものとか既製品なんかを小さく商売していたら小商いなのかと言われたら、ちょっと違うということで。繋がりがちゃんとある商売をすることだったり、この商売がやりたいという気持ちでやってることが小商いなんじゃないかという話をしました。

いくら規模が大きくても、自分がやりたいこと、繋がりがある商売に関しては小商いというジャンルに入る。大きい資本になって繋がりがどんどん薄まっていって、誰のものを買ってるのか買う人も分からなくなるということじゃなくて。自然食コタンも、ちゃんと店と生産者が繋がってることを大事にした自然食品店として始めたという説明をさせてもらいました。

その後、他の店を出す、自分で資本を出して新しい土地で家賃を払って人を立ててやっていく、それでスケールメリットを出して、効率をあげて発展していく中で、結局、小商いから遠ざかっていく感覚が僕の中にあって。

ただ、このいい食材、いい農家さんを支えるためには、こちらも大きくならなくては、農業者とかも育っていかない。でもどうやって大きくするのかっていうときに、例えばこういう話のときに僕が一人、出資して頑張るんじゃなくて、「こういう店ってこの街に必要だよね」ってこのコミュニティの中でそういう店を作る。

インターネットの売買とかもこれからも当たり前になる中で、逆にAI化、無人レジとか人がいらなくなっていく中で、余計に人がいるってことに気づいていく時代になっていくと思うんですよね。対面販売で、そこで喋れることが価値になっていく。

コミュニティ、消費を目的としない集客みたいな。あれがこれからキーポイントになっていく気がしてて。でも僕もそれの答えが何かわかってなくて、自分でスタッフを用意して大きくしていくというのはけっこう限界を感じてます。

この地域、環境を作りたいという人たちと会って、一緒に作るという形。ハワイのコープとか協同組合ってこういう形で昔から成り立っていて、どっかの人がそこにバーンと作ってから始まるんじゃなくて、始まる前から寄付を集めて、クラウドファンディングみたいなもんですよね、寄付を10万円ずつ集めて、100人集まったら1000万、1000万でそこにスーパーができます。

その100人は絶対買うんですよ。そこのコープで売ってるものを買いたい人が10万円まず出す。できたら12万円の商品券を貰う。その土地の人たちが歩いて行けるところに、いつも買ってるものがすぐ買える店があって、2割引で買えるという状態からスタートする。

これをコタン始めたときに聞いて、すごい進んでるなって。みんながほしいから作って成り立つっていうスタートと、作ってからどうですか、いらっしゃいませ、いらっしゃいませっていう労力って、すごい大きな違いがある。

この間、犬島のイベントで無人販売所っていう実験をしたんですけど、けっこう面白い結果が出て、無人レジではなく昔の良心市で、性善説ですよね。実験3日間やったんですけど。お金が増えてるくらいで。

まあこれは特例なんで、どこでもそのへんで通用するとは思わないんですけど、何かすごい可能性を感じたなということは、もっと広げていくためには違う仕掛けが、僕のモチベーションとしても必要なんで、なのでこのような場でいろんなジャンルの人と話せることは僕にとってすごく楽しかったし、今日も価値のあることだと思ってます。

●廣本さん(おかやまエネルギーの未来を考える会)/さっき加藤先生がおっしゃったことと重複するんですけど、私もこの新しくできる地域がどういうエネルギーを使って社会をまわしていくのかっていうことがとても気になっています。

枝廣さんの話の中でも紫波町の話が出てきまして、本当に素晴らしい街ができている。それもそんなに無駄がなくコンパクトに、いろんな方が関心を持ったりするものがそこに集まっているという。ホテルもあり図書館もあり、スーパーもありという、そういう気持ちのいい地域だったなということがすごく頭に残っていて、この地域でも新しく作られる街というのは、そういうふうにしていけたらいいんじゃないかなと思っています。

それと、エネルギーについては蓄電池とか太陽光とか、そういうものも可能な限り取り入れていただきたいと思うのと、ちょっとお金の面とか度外視して無責任なことを言わせていただくと、この地域で使う電気を地域の中で作ってまわすということができたら一番いいなと。ここは最先端の脱炭素地域だと胸を張って言えるような、そんな地域になればと思ったりします。

で、外から買い入れる電気ももちろん繋げておいて、その地域の中で自営線というのを、できるだけ地域で自給するということができたらいいなと思ったりします。また、バイオマスの熱利用というのがなかなか近くにないというのがありますが、例えば足守のメガソーラーはどうなるの? と思ったりするんですが、そちらのほうから木を運んできて、バイオマス利用というのもあるんじゃないかなとか、いろいろ可能性はあると思っていますので、それが実現できたら素晴らしいなと思っています。

●四井さん(パーマカルチャーデザイナー)/加藤先生と一緒の、里まち暮らしの回でお話しさせてもらった者です。ここにグリーンライフ(パーマカルチャー)って書いてあるんですけど、パーマカルチャーっていうのはここに書いてあるものすべてを実現させるために、どのように自然の仕組みを組み立てていくのかを描いていきます。

自然の仕組みに沿うと、持続可能な社会っていうのは、かなりあり方としては限られます。1つの例として、うちの暮らしを未来の暮らしとしてお話しさせていただきましたけれども、ああいう農的な暮らしっていうものをすべての人ができるわけではないです。

それぞれの、例えばサラリーマンの暮らしがあったりとか、何かものを作ってる暮らしがあったりとか、ものを売ってる暮らしがあったりとか、いろいろ世の中、特化していき過ぎてるところがあります。

今日も町内会長さんのほうから、「私の町では田畑が多くて拓かれていない」と。片や経済的に発展している場所があると。それは悔しいことだとおっしゃられていましたけれども、でも本当はみなさんがこうやって暮らしを特化している中で、それぞれの場所場所で、それぞれの利権や条件があった上で、その場所のあり方がある。

でも今のあり方っていうのは、昔ほど全体がまわるように決まっていない傾向があります。それはなぜかというと、やっぱり利益のほうに行くからです。でも田んぼは生産地として働き、人がたくさん住んでるところは住宅地として働き、商業地として働きっていうことがバランスよく機能することによって、街全体が持続可能な社会になっていくんです。

だから本当は街づくりっていうのは、そういうことを考えることが街づくりなんだよと。それを考えられなくなっている市民の現状がある。それは行政もそうかもしれないです。行政もちゃんとした社会構造、持続可能な社会構造になるような街づくりはおこなえないでしょう。

だから僕らはそれを考えた上で暮らしを考えるべきだと思うし、それを実現させるためのみんなの合意形成の仕組みを作ること。今日、枝廣先生が話されたように、いろんな地域の事例を学ぶこと、いろんなことをやるべきだと思う。

だから僕から言わせれば、みなさん暮らしも知らないのに街づくりなんて考えられるわけないじゃないですか。本当はそれぐらい過激なことを言いたいです。だってそうじゃない。家に帰ってやることといえばご飯食べて寝て、また会社に行ってまた家に帰る。家自体が箱みたいになっちゃってる。そこの箱の集まりの町も同じように箱になっちゃってますよね。

みなさんそこで何を生産しているのか、持続可能な家庭を築き上げているのか。そんな中ではやはり今みたいに、いろんな社会問題が起こってもおかしくないですし歪んできますよ。やっぱりここで各個人、各家庭、それぞれがもう一回、暮らしを見直して、自然との繋がり、自然の風土、社会構造、すべてが渾然一体となって持続可能な社会になっていくように考えられるようになることが、まず僕は先決だと思うんですよね。

その上で街づくりをどうしていくのかを考えていかないと。どこも田んぼが街になっていっちゃいますよ。どこで僕ら食べ物を生産するんですか? 海外で作るんですか? 今じゃ食べ物どころか、いろんな服とか僕らの使ってる道具はみんな海外で作られています。

じゃあみんな誰が作るの? 日本じゃものを作らなくなっていっちゃうんですよね。じゃあ働くところどこになるの? そのうち僕ら海外に働きに出ないといけなくなってくるかもしれません。そんなの社会構造でもなんでもないです。持続可能な社会を考えるっていうのはそこから始まるんだと思います。

その上でいろんな街づくりとか合意形成。だって最初の加藤先生だってビジョンがないとしょうがないと。だからまずみなさんビジョンを描けるような状況を暮らしから作っていくようなことを僕はやったほうがいいんじゃないかというふうに、4回5回とある意味、否定するような意見かもしれないですけど、でもそういうふうに思いました。以上です。